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がんとお金や仕事のおはなし

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がんとお金や仕事のおはなし

(2016年1月12日 14:47)

社会保険労務士 CFPR認定者
倉本 昌明
 
 
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がん(病気)になったら、仕事を辞めなければならないのか?
そんなことはない!
(本人の意思)
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【アドバイス】
「職業選択の自由」は、老若男女を問わず、全ての国民に保障されている権利です。
もちろん、病気の有無によって変わるものではありません。
また、その権利は各個人に与えられているものなので、周囲の人が勝手に決めることは出来ません。
まずは、自分自身で今後どのようにしたいのかを判断しましょう。
そのときに周囲の人に意見を求めることは構いません。
困ったときには、一番信頼できる家族、友人・知人、会社の上司・先輩、同僚などに相談してみましょう。
 
 
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<ケース1-1>
仕事を続けたい!
解雇(クビ)にできる?
不当→労働局(企画局)に斡旋の申請、助言・指導を求めることができる。
 
<ケース1-2>
この考え方は、正社員だけてなく、アルバイト、パートタイマーも同じ!
(同じ労働者なんだから!)
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【アドバイス1-1】
法律上、労働者と使用者は対等な立場にあります。(決して従業員よりも社長さんの方が偉いわけではありません。)
労働者の方から退職届を提出して会社を辞めることが出来るように、会社の方から労働者に解雇通告を行うことが法律で禁止されているということはありません。
ただし、労働者にとっても生活の問題がありますから、どんな解雇でも認められるわけではありません。
例えば、社長が「(この従業員は)何か気にくわないから」という理由だけで解雇することは不当な扱いと言えるでしょう。
また、実際に仕事の支障がないのにもかかわらず、病気であることを理由に解雇することも同様です。
あくまでも解雇というのは、ちゃんとした理由がある場合にのみ認められるもので、他の様々な手段を尽くした上でやむを得ないときにだけ許されるものです。
おかしいなと感じたときには、最寄りの労働基準監督署を通じて、労働局に相談してみましょう。
 
 
【アドバイス1-2】
よく「正社員とパートタイマー(アルバイト)の違いって何ですか?」と聞かれることがありますが、これに対する満点の回答はありません。
なぜならば、法律の中には「労働者」という表現しかなく、会社ごとで独自に、労働時間の短い労働者を「パートタイマー」と呼んだり、自給いくらで働く労働者を「アルバイト」と呼んだりしているだけなのですから。
したがって、法律では全ての労働者に対して差別することなく、平等に対応することを大原則としています。
例えば、週2,3日程度しか出勤していない労働者(一般的にいうアルバイト)でも、半年以上勤務してその間の労働日の8割以上出勤していれば、年次休暇はあるのです。
もちろん、仕事中や通勤途上の事故に対しては、日雇いの臨時の労働者でも労災保険の適用があります。
労働者としての権利であれば、正当に主張することは決して間違っていることではありません。
 
 
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<ケース2>
しばらく休みたい!
生活費は?→傷病手当金(健康保険)
会社の休職制度の活用、年次有給休暇
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【アドバイス】
傷病手当金(健康保険)は、病気やケガで仕事を休んだときに休業開始4日目から最長1年6ヶ月間、通常の賃金(標準報酬日額)の3分の2程度が保障されるものです。その病気やケガが原因で退職した場合でも、引き続き受けることが可能です。ただし、途中で職場復帰して受けていない機関があったとしても、受給期間を延長してくれることはありませんので、注意して下さい。なお、傷病手当金は健康保険の被保険者(本人)がその対象であり、被扶養(家族)は対象になりません。
休職制度は、会社ごとの任意の制度なので、すべての会社に必ずあるとは限りません。有給か無給かも含めて、就業規則等で確認しましょう。
これに対して、年次有給休暇は法律で決められている制度であり、前述のように。半年以上勤めていれば、パートタイマーやアルバイトでも利用することが出来ます。
休職後は、元の仕事に戻れるのが原則と考えられますが、会社の状況等によっても変わってきます。希望する場合には、その旨を伝えて、会社の担当者としっかり話し合って下さい。
 
 
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<ケース3>
軽易な仕事に移りたい!
賃金の低下
社会保険・雇用保険の扱いの問題(被保険者の資格喪失、保険料)
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【アドバイス】
軽易な作業に移れるかどうかは、そのような仕事が社内にあるかどうかによります。まずは会社の担当者に希望を伝えて、相談してみて下さい。
当然、そのことにより賃金額は下がるものと考えられます。
さらに、労働時間が短くなると、雇用保険や健康保険・厚生年金の被保険者から外されることもあります。支払う保険料は安くなるかもしれませんが、それに伴って、保障も少なくなります。(失業した場合でも失業手当が受けられなくなったり、休業しても健康保険の傷病手当金を受けられなくなったりします。)これらのリスクも合わせて考えた方がいいと思われます。